第17回「販促コンペ」ビジュアル制作の裏側【ティザー広告編】



実は最近の「販促コンペ」は、前年のグランプリ受賞者に、次回のキービジュアルの制作をお願いしていますが、ご存知でしたでしょうか?
今年のビジュアルを制作したのは、前回グランプリを受賞した、電通の王一伊さんです。
今回はティザービジュアルをどのような想いで制作したのかを、一問一答形式で答えてもらいました!

Qティザー広告のコピーは、ご自身の胸のうちを吐露したような、“想い” が感じられるボディコピーが印象的です。
Aこのボディコピーは私の実体験に基づいて生まれたものです。「販促コンペ」に応募した時のことを振り返ると、挑戦したい気持ちと、受賞できなかった時の怖さの葛藤がありました。
それが私だけではなく、ほかの応募者にも共通する思いではないかと推測しましたね。
勇気を振り絞って応募した結果が受賞につながったため、私の気持ちをありのままに書くことで、今まさに応募を迷っている人の背中を押せるのではないかと考えました。
Qボディコピー制作で、こだわった点はありましたか。
A受賞者として見栄を張りたかったのですが、本当は弱くて、逃げたかった。
そのもがき苦しんだ心の変遷をあえて時系列で書くことで、読む方も心の葛藤を一緒に追体験してもらえるのではないかと考えました。
読み終えた頃には前向きに応募しようという気持ちになってもらえたら。そんな想いを込めました。
Qティザー広告は「文字のみ」のビジュアルです。だからこそ想いがつたわってくるのかもしれません。
Aコピーは読んでもらえれば、想いが伝わる自信がありました。
しかし、ボディコピーを含めると、かなりの長文。長さゆえにスルーされない工夫が重要だと考えていました。
そこで気になるタイトルを地に大きく配置し、何気なく雑誌をめくる人の目にとまるように。そのまま本文に誘導するようにデザインしました。

ボディーコピーの全文はこちら!

同期や後輩が次々と結果を残し始めた。私はまだその場を踏みとどまっている。
長い長いトンネルの中で「自分らしさとは何か」「私のアイデアに足りないものは何か。」
誰にも教えてもらえない悶々とした日々 。
「いつかは一発逆転を狙いたい!」「この仕事に向いてると思いたい!」
なのに、ありきたりの企画しか出せない。自分は不甲斐ない。
ある日、販促コンペの知らせがSNSに流れてきた。
今までもコンペに応募したことあるけど、苦い思い出しかなかった。
見て見ぬふりしたい。言い訳して逃げたい。
でもなぜか心が軽くならない。なにこの戦う前からの敗北感!?
試しに過去受賞作を見てみた。
受賞経験がなかった人、一人で応募した人、絵が描けない人、
若い人だって勇気を出して応募して入賞してた。
カンプが作れない、企画書がキレイじゃない。
それでもアイデアが良ければ受賞の可能性はゼロではない。
結局自分次第だ!たかだか10ページの企画書。
一案でも出せば私は言い訳しなかったと胸を張れる。
人生をひっくり返すチャンスかもしれない。
「自分らしさ」が見えてくるかもしれない。
実現した先に誰かが幸せになるかもしれない。
心が動いた瞬間、私は見えた!
「まさに今、私は人生の転換点に立っている。」
この気持ちを蓋することはもうできない。
大丈夫、やってみよう。今年の私は、きっと今までの私じゃない。